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スピリチュアルコーチたまちゃん

Author:スピリチュアルコーチたまちゃん



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エルマおばあさん

木の葉が色づき、舞い散る 晩秋となりました。

ここ 北海道では、初雪も舞いました。


全ての生命活動が一旦休止するかに見える、

北の国の厳しい冬の訪れです。



そこでこの季節、「死」を見据える絵本を選んでみました。

  

魂に効く絵本  〜絵本は恋に似ている〜 2005.10.27 第11号

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『さよなら エルマおばあさん 』

  大塚 敦子  写真・文、小学館(10歳くらいから)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


 〜あらすじ〜


  ある夏の終わり、エルマおばあさんは、お医者さんから、

  病気でもう長くは生きられない、と言われました。





著者の大塚敦子さんと 以前から家族ぐるみのつきあいで、

孫のように可愛がってくれていたというエルマおばあさん。



その大塚さんが、許可を得てエルマおばあさんの自宅に住み込み、

介護を手伝いながら撮った写真で構成された

ドキュメンタリー写真絵本。



外出前にお化粧するエルマおばあさん。

老人クラブの朝食会で友人たちと談笑するエルマおばあさん。

庭で草花の世話をする姿。



その後、

 ゆっくりと 衰弱していくエルマおばあさんの姿。



  「それは、体が旅にでる準備をしているからなんだよ」
  本書19pより



点滴を付けた寝姿。

そして、延命治療をしないで欲しい、という要望書に
サインするシミの浮いた手。


弟との、子どもたちとの、親戚たちとの、

別れを惜しむシーンの数々。




とうとう、歩けなくなります。


酸素吸入器の細いチューブを鼻に刺した顔は、
以前よりも 一回り小さく見えます・・・。



  そして、まるでゲームでも楽しむみたいに、
  こんなことも言いました。

  「わたしは、自分の死ぬ日を決めたからね。

  その日付を紙に書いてかくしておいたから、

  私が死んだあと、さがしてごらん。」   p43より





そしてある日、

その日がエルマおばあさんの決めた日だ、ということが、

家族にもわかりました。



その夜、みんなは寝ないでエルマおばあさんにつきそいました・・・





      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'





 “この本は、子どもたちだけではく、お父さんお母さんにも、

 ぜひ読んでいただきたいと思います。

 そして、子どもといっしょに、

 「人の命には限りがあり、だれにも必ず死を迎えるときがくること」や

 「死が訪れる瞬間は苦しくないこと」を

 話し合ってほしいと思います。”

   本書の帯より(ホスピスケア研究会代表 季羽倭文子さんの言葉)




      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'





エルマおばあさんの淡々とした姿。

それが写真である、という重み。

迫り来るリアリティ。




最後まで、強いまなざしを持ち続けていた彼女。


しわくちゃの、一回り小さくなった顔の中の

意志に満ちたまなざし。

力強い瞳。




それは、


  自分の死に方を自分で決めた満足感と誇りで


        輝いているのだ。





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死は破滅でも敗北でもない。

死は忌むべきことではない。


人生という作品の大切なエンディングなのだ。

クライマックスを経たあとのエンディング、大団円。


一年は、冬があって初めて完全な一年なのだ。

1日は、夜があって初めて完全な1日なのだ。



天寿を全うした老人の死は、

季節が来て舞い落ちる木の葉のように静かで

そして 尊厳に満ちている。



それは、物事のあるべき姿を思い起こさせる。



季節は巡る。

夏が過ぎ、青々としていた木々の葉は 色を変えていく。

そしてある時、そのときが来たことを知る。

葉は、風に手を取られ そっと枝から離れる。

旅立つ。

それはとても自然なこと。





      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'





考えてみれば、


今まで生きてきた数え切れない数の先人たちも、

一人残らず死んだのだ。


今生きている私たちも一人残らず死に向かいつつあるのだ。


誰一人死を免れないのだ。

むやみに恐れることはないのだ。

誰にだって訪れることなのだ。

全員が通り抜けるところ。




  すごく普通のこと。

  特別なことじゃない。





命は大いなる流れに浮かぶ泡沫だ。

かつ消え、かつ結び、を繰り返す。

泡が消えても、元の流れに戻るのみ。

そして、また泡を結ぶこともあるのだ。





      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'





しかし、死は痛ましい。

 嘆きと 喪失の哀しみに 満ちている。



パール・バックの「母の肖像」の中の一節を思い出す。




   「(こどもは天国で安らかにしていると)考えたからといって、

         母親の腕と心が充たされると思うんですか?」


            (中略)


   「肉体は何でもないでしょうか? 

    私は自分の子どもたちの肉体を愛しました。(略)

    私が生んで、可愛がって、洗ってやり、着せてやり、

    面倒を見てやった肉体は、私には貴重な宝です。」
  
         『母の肖像』P・バック 新潮文庫p123より
    




私たちは地上で生きている。

肉体をまとって生まれることを選んだのは、
五感で生きることを味わうため。

感覚や感情を通して事物と関わるため。

肉体を通して他者と関わるため。



 「海が大陸をつなぐように、

   感情が私たちをつなぐよすがなのです」

              本田健さんの言葉より。




肉体を通して、私たちは触れあう。

感情を通して、私たちは触れあう。



地上の肉をまとって、

初めて私たちはお互いの重みと温かさを知ることができる。



子どもの身体のずっしりした温もりを膝に感じ、

恋人の髪の感触にドキッとし、

老いた母の細い肩をもみながら 

  幼い日に抱きしめられた 母親の力強い腕を 思い出す。



肉体が喪われるとき、

私たちは触れあえなくなる。

お互いの温もりを感じることが出来なくなる。



それを嘆くのは当然のこと。

去る者も残されるものも 名残を惜しむのは当然のこと。




死は破滅でも敗北でもない。

むやみに恐れることではない。

忌むべきことではない。

しかし、一時の別れとはいえ、別れは別れなのだ。


文字通り、今生の別れを

心ゆくまで悼み、大いに嘆き、惜しもう。


それができて、初めて私たちは心の平安へと行き着くのだ。





      ‘:・:*:. ☆ .:*:・:'





一人の老女の いのちが燃え尽きるさまを淡々と記録し
その後の喪失の空間の痛みまで切り取った、感動の一作

『さよなら エルマおばあさん 』
  大塚 敦子  写真・文、小学館(10歳くらいから)




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